クドリャフカの順番
クドリャフカの順番 米澤穂信著
文科系部活動のさかんな神山高校。三日に分けて行われる盛大な神山高校文化祭、通称カンヤ祭の幕は上がった。上がるそうそう、千反田える率いる古典部は難題にぶつかる。文集『氷菓』を大量注文してしまったのだ。立地にも恵まれない古典部はいかにしてこの過剰在庫の『氷菓』の山をさばけるのか。そして、一日目からカンヤ祭を襲う『十文字』盗難事件。被害は最小だが話題性はうなぎ上りで、カンヤ祭文科系部活動の催し物と、引けをとらない注目事件に発展してゆく『十文字』。自身の部活古典部の危機もさることながら、大和撫子しかりとした千反田えるは、例によって「気になります」の一言を。古典部文集『氷菓』完売なるのか、そして『十文字』の真の目的とは?とカンヤ祭の喧騒に紛れつつ、持ち上がる事件を大いに、本当に最初から最後まで楽しめます。
今回とられた多視点形式。その視点の繰り出される順番。これがもう物語を大いに楽しませてくれました。出だしから店番を申しでる折木奉太郎の省エネ主義も、本人が信条に掲げるよりかは活動的にならざる終えない場面もあって、それはやるべき事は最小限にを貫きながらも、決して冷血さには繋がらないところが良い。そして福ちゃん好きの私としては、色んな場面の福ちゃんを見られたのも楽しめた一つの理由です。いつものように、全てを楽しみつくそうとするところ、奉太郎との付き合い思いのところ、摩耶花との絶妙微妙な関係維持。いつもとろい千反田えるの包丁捌きや、古典部のための惜しみない活動も見所でしたが、やっぱり最初っから最後までが中だるむことなく大いに楽しめたそんな一冊でした。今まで読んだ古典部シリーズ三作の中では一番好みでありました。
文科系部活動のさかんな神山高校。三日に分けて行われる盛大な神山高校文化祭、通称カンヤ祭の幕は上がった。上がるそうそう、千反田える率いる古典部は難題にぶつかる。文集『氷菓』を大量注文してしまったのだ。立地にも恵まれない古典部はいかにしてこの過剰在庫の『氷菓』の山をさばけるのか。そして、一日目からカンヤ祭を襲う『十文字』盗難事件。被害は最小だが話題性はうなぎ上りで、カンヤ祭文科系部活動の催し物と、引けをとらない注目事件に発展してゆく『十文字』。自身の部活古典部の危機もさることながら、大和撫子しかりとした千反田えるは、例によって「気になります」の一言を。古典部文集『氷菓』完売なるのか、そして『十文字』の真の目的とは?とカンヤ祭の喧騒に紛れつつ、持ち上がる事件を大いに、本当に最初から最後まで楽しめます。
今回とられた多視点形式。その視点の繰り出される順番。これがもう物語を大いに楽しませてくれました。出だしから店番を申しでる折木奉太郎の省エネ主義も、本人が信条に掲げるよりかは活動的にならざる終えない場面もあって、それはやるべき事は最小限にを貫きながらも、決して冷血さには繋がらないところが良い。そして福ちゃん好きの私としては、色んな場面の福ちゃんを見られたのも楽しめた一つの理由です。いつものように、全てを楽しみつくそうとするところ、奉太郎との付き合い思いのところ、摩耶花との絶妙微妙な関係維持。いつもとろい千反田えるの包丁捌きや、古典部のための惜しみない活動も見所でしたが、やっぱり最初っから最後までが中だるむことなく大いに楽しめたそんな一冊でした。今まで読んだ古典部シリーズ三作の中では一番好みでありました。
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犬はどこだ
犬はどこだ THE CITADEL OF THE WEAK 米澤穂信著
みずからの立てた人生設計からやむなくはずれた紺屋長一郎。何か自営業を…と一番に思い浮かんだお好み焼き屋は支障があって、開いたのが『紺屋S&R』探偵事務所。犬探しを専門にと願っていたにもかかわらず、初仕事で舞い込んできたのは人探しと古文書解読。そこに高校時代の後輩・半田平吉が、かねてから憧れの探偵に志願。紺屋が人探し、ハンペーが古文書解読を担当するが、人探しは暗雲たちこめ、ハンペーの前には謎の人物。雲行きが怪しくなっていく事件は僅かに交差し始める。
紺屋とハンペーの温度差が良かったです。これはいずれ二つの依頼が交差するとは分かっているのだけれど、それから早々に交差してしまったらお話にならないというのも分かっているのだけれど、今か今かとやきもきとしながら、どんどん読み進めていきました。妹の梓と旦那様で『D&G』のマスター河村友春夫婦というサブも、特に梓のサバサバっぷりとドライブテクニックが素敵でした。
これはとても続編が気になります。何よりGENが気になります。読み終えたばかりというのもあるかもしれないけれど、今まで読んだ中では一番好きかもしれない一冊でした。
みずからの立てた人生設計からやむなくはずれた紺屋長一郎。何か自営業を…と一番に思い浮かんだお好み焼き屋は支障があって、開いたのが『紺屋S&R』探偵事務所。犬探しを専門にと願っていたにもかかわらず、初仕事で舞い込んできたのは人探しと古文書解読。そこに高校時代の後輩・半田平吉が、かねてから憧れの探偵に志願。紺屋が人探し、ハンペーが古文書解読を担当するが、人探しは暗雲たちこめ、ハンペーの前には謎の人物。雲行きが怪しくなっていく事件は僅かに交差し始める。
紺屋とハンペーの温度差が良かったです。これはいずれ二つの依頼が交差するとは分かっているのだけれど、それから早々に交差してしまったらお話にならないというのも分かっているのだけれど、今か今かとやきもきとしながら、どんどん読み進めていきました。妹の梓と旦那様で『D&G』のマスター河村友春夫婦というサブも、特に梓のサバサバっぷりとドライブテクニックが素敵でした。
これはとても続編が気になります。何よりGENが気になります。読み終えたばかりというのもあるかもしれないけれど、今まで読んだ中では一番好きかもしれない一冊でした。
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さよなら妖精
さよなら妖精 米澤穂信著
春雨の日に出会った少女マーヤはユーゴスラヴィアからやってきた。見るもの聞くものを熱心に知ろうとするマーヤと過ごすうちに、何事にも打ち込む事がなかった守屋はこのままで良いのだろうか?と思い始める。寝て起きて飯を食って、息をしているだけでも生きていられる幸せは確かにそこにある事も知っている。
滞在期間二ヶ月、まるで別世界から来たようだった少女マーヤ。
マーヤが去って一年後と、マーヤと過ごした二ヶ月間が描かれています。
正直出だしは乗り切れなかったのだけれど、半分頃の第二章あたりからは集中して読むことが出来ました。
世界には多くの国があってその中には名前さえよく知らない国もあるのだけれど、この本に登場するユーゴスラヴィアの名前もそこに属していた六ヶ国についても、よくは知らなくても名前だけなら大抵の人は知っていると思います。ということになったのは、やっぱりこの本の中で登場する内戦の影響が大きいのだろうと思います。当時はニュースも殆ど見ていなかった幼かった私でも、大変な事があった国なのだとその名を聞けば咄嗟に思います。
その場所からやって来たマーヤの、良くないことが起こるかもしれないと感じていた、けれどもそうはならないと信じたかったという気持ちがよく伝わって来ました。
『哲学的な意味はあるのか?』というのが口癖の彼女の姿勢も素敵です。哲学なんていうとちょっと硬い感じがするのだけれど、ありのままの意味するところを知りたいと思うのは自然だし、当たり前の物に対してはそう感じる事も忘れがちだよな〜と思いました。
自分の現状に、曖昧であっても疑問を感じてはいた守屋が、そんな存在であるマーヤに影響を受けるのは自然な事だろうと思います。盲目的独りよがりに陥っていた自分も自覚しているというところも良かったです。しんみり気分で読み終える…。
春雨の日に出会った少女マーヤはユーゴスラヴィアからやってきた。見るもの聞くものを熱心に知ろうとするマーヤと過ごすうちに、何事にも打ち込む事がなかった守屋はこのままで良いのだろうか?と思い始める。寝て起きて飯を食って、息をしているだけでも生きていられる幸せは確かにそこにある事も知っている。
滞在期間二ヶ月、まるで別世界から来たようだった少女マーヤ。
マーヤが去って一年後と、マーヤと過ごした二ヶ月間が描かれています。
正直出だしは乗り切れなかったのだけれど、半分頃の第二章あたりからは集中して読むことが出来ました。
世界には多くの国があってその中には名前さえよく知らない国もあるのだけれど、この本に登場するユーゴスラヴィアの名前もそこに属していた六ヶ国についても、よくは知らなくても名前だけなら大抵の人は知っていると思います。ということになったのは、やっぱりこの本の中で登場する内戦の影響が大きいのだろうと思います。当時はニュースも殆ど見ていなかった幼かった私でも、大変な事があった国なのだとその名を聞けば咄嗟に思います。
その場所からやって来たマーヤの、良くないことが起こるかもしれないと感じていた、けれどもそうはならないと信じたかったという気持ちがよく伝わって来ました。
『哲学的な意味はあるのか?』というのが口癖の彼女の姿勢も素敵です。哲学なんていうとちょっと硬い感じがするのだけれど、ありのままの意味するところを知りたいと思うのは自然だし、当たり前の物に対してはそう感じる事も忘れがちだよな〜と思いました。
自分の現状に、曖昧であっても疑問を感じてはいた守屋が、そんな存在であるマーヤに影響を受けるのは自然な事だろうと思います。盲目的独りよがりに陥っていた自分も自覚しているというところも良かったです。しんみり気分で読み終える…。
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愚者のエンドロール
愚者のエンドロール 米澤穂信著
脚本担当者が病床に伏した為、未完結となった自主制作映画。
トリックも犯人さえも分からないままとなってしまった密室殺人を、完結まで漕ぎ付けようと『探偵役』を買ってでる当事者である2−Fの面々。そのオブザーバー的な役割として古典部総出となる。
未完の映画がミステリーということもあって、今回はミステリーに関する考え方のあれやこれやが出てきます。
それで、ホラーのサスペンスタッチもミステリーって感じたりするよなぁと、頷きながら読みました。
ミステリーと一言で言っても、かなり幅広いものだよなと改めて思いました。
それから、タロットで『愚者』『魔術師』『正義』『女帝』というものが、そういう意味なんだと。
タロットは絵柄が綺麗だなと思いつつ、意味合いを調べたりすることも無かったものだから、ちょっと徳した気分でした。
あとは、里志が中々好きだなと思ったり、お?ちょっと変わるのか?と思われた奉太郎がやっぱり今の省エネスタンスを貫き続けるのか、という所がこれから気になる所です。
けれども、奉太郎がハリキリ推理少年になったりしたら、えるの役割もまた別のものになってしまうよな〜と思ったみたり。
しかしながら、自分を客観的に見ることに専念しすぎると、自分がどんなものなのかを見失ってしまうという罠があるよな、なんて事を考えてしまう一冊。
謎的には『氷菓』の方が好みでしたが、著者の本は読みやすいので好きです。
脚本担当者が病床に伏した為、未完結となった自主制作映画。
トリックも犯人さえも分からないままとなってしまった密室殺人を、完結まで漕ぎ付けようと『探偵役』を買ってでる当事者である2−Fの面々。そのオブザーバー的な役割として古典部総出となる。
未完の映画がミステリーということもあって、今回はミステリーに関する考え方のあれやこれやが出てきます。
それで、ホラーのサスペンスタッチもミステリーって感じたりするよなぁと、頷きながら読みました。
ミステリーと一言で言っても、かなり幅広いものだよなと改めて思いました。
それから、タロットで『愚者』『魔術師』『正義』『女帝』というものが、そういう意味なんだと。
タロットは絵柄が綺麗だなと思いつつ、意味合いを調べたりすることも無かったものだから、ちょっと徳した気分でした。
あとは、里志が中々好きだなと思ったり、お?ちょっと変わるのか?と思われた奉太郎がやっぱり今の省エネスタンスを貫き続けるのか、という所がこれから気になる所です。
けれども、奉太郎がハリキリ推理少年になったりしたら、えるの役割もまた別のものになってしまうよな〜と思ったみたり。
しかしながら、自分を客観的に見ることに専念しすぎると、自分がどんなものなのかを見失ってしまうという罠があるよな、なんて事を考えてしまう一冊。
謎的には『氷菓』の方が好みでしたが、著者の本は読みやすいので好きです。
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氷菓
氷菓 米澤穂信著
高校生活といえば薔薇色、薔薇色といえば高校生活と言いながら、勉学にもスポーツにも色恋沙汰にも興味を示さず、友人に灰色だと評される折木奉太郎は何事にも省エネである。世界を飛び回る姉から届いた手紙には、姉も所属していた古典部に入部しろと書かれてあった。部員数0の為消滅の危機にある古典部を守れということ。その姉に義理立てしない理由も無く、入部する事になった奉太郎は、部室である地学講義室で、清楚な女学生といった風の千反田えると対面する。千反田えるもまた、一身上の都合により古典部に入部したのだった。というような、神山高校古典部を舞台にしたお話。
千反田えるが知らずに地学講義室閉じ込められていた謎、図書室で毎週金曜に借り出される本があるという愛無き愛読書の謎、有る筈の古典部の文集を無いと言い張る壁新聞部部長の謎などのプチ事件が起こり、その間に、奉太郎の友人でもあり、絶え間無い笑みと巾着、そして減らず口がトレードマークの福部里志と、その里志に求愛中の毒舌家の伊原摩耶花が古典部員として加わります。四人となった古典部は本書最大の謎『氷菓』にまつわる三十三年前の真実に挑むと言う具合。
私のようにミステリー重視でない人に優しい一冊だなと思います。分かりやすいヒントが安心感をくれるのか、気軽な感じで読み進められます。なので、真実の意外性などを楽しみに読むというよりは、真実への過程でもある古典部全員参加の検討会や、シリーズの第一作ということで、古典部員達のキャラの把握などを楽しみに読む事が出来ました。次は『愚者のエンドロール』
を読まなくてはと思います。
高校生活といえば薔薇色、薔薇色といえば高校生活と言いながら、勉学にもスポーツにも色恋沙汰にも興味を示さず、友人に灰色だと評される折木奉太郎は何事にも省エネである。世界を飛び回る姉から届いた手紙には、姉も所属していた古典部に入部しろと書かれてあった。部員数0の為消滅の危機にある古典部を守れということ。その姉に義理立てしない理由も無く、入部する事になった奉太郎は、部室である地学講義室で、清楚な女学生といった風の千反田えると対面する。千反田えるもまた、一身上の都合により古典部に入部したのだった。というような、神山高校古典部を舞台にしたお話。
千反田えるが知らずに地学講義室閉じ込められていた謎、図書室で毎週金曜に借り出される本があるという愛無き愛読書の謎、有る筈の古典部の文集を無いと言い張る壁新聞部部長の謎などのプチ事件が起こり、その間に、奉太郎の友人でもあり、絶え間無い笑みと巾着、そして減らず口がトレードマークの福部里志と、その里志に求愛中の毒舌家の伊原摩耶花が古典部員として加わります。四人となった古典部は本書最大の謎『氷菓』にまつわる三十三年前の真実に挑むと言う具合。
私のようにミステリー重視でない人に優しい一冊だなと思います。分かりやすいヒントが安心感をくれるのか、気軽な感じで読み進められます。なので、真実の意外性などを楽しみに読むというよりは、真実への過程でもある古典部全員参加の検討会や、シリーズの第一作ということで、古典部員達のキャラの把握などを楽しみに読む事が出来ました。次は『愚者のエンドロール』
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